樹海を泳ぐイルカ
「何をやっているんだ!」


騒ぎをききつけた体育教師があらわれた。


いつの間にか違うクラスの野次馬たちもあらわれて、僕は好奇心露わの目で眺められていた。


「お前たちは自分のクラスに戻りなさい!君は校長室にきなさい!」




バカデカい体育教師の声をよそに僕はチョークで殴り書きをした。





───suffocation








チョークを持つ僕の手を掴もうとした体育教師のゴツい腕をふりほどき、するりと横を走り抜けて荒れ果てた教室を飛び出した。








中谷が、担任が、クラスメイトが、教室中がなすすべもなく、僕の後ろ姿を見送っていた。
< 121 / 157 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop