樹海を泳ぐイルカ


「水族館…イルカみたいな」

「うん。みようよ。イルカだって魚だってラッコだってなんだってみよう。全部みよう」


それが僕にできる数少ない透子へのプレゼントだから……。



「きっと、新種の魚にだって会えるよ」


そう言うと透子は笑った。






僕たちがバスのなかでした会話はこれだけだった。







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