樹海を泳ぐイルカ
中谷が制服のポケットからライターとタバコをとりだす。
危険信号のように頭がわれるかのような頭痛がした。
中谷がタバコに火をつける。
タバコの先からは白い煙がゆらゆらと天井に登っていく。
中谷がニヤリと笑った瞬間、僕は右腕に頭が真っ白になるくらいの熱さを感じた。
「うぁあぁああぁぁ!!!!!!」
僕の叫び声はクラス中の笑い声にかき消されていく。
全身が灰になるような痛みと焦げる匂いがする。
すべての器官は機能を忘れて熱さだけを身体に伝えた。