樹海を泳ぐイルカ
「高校の制服ってことは……16歳?」
「うん」
「じゃあ同い年だ」
「えぇ?!?!」
「なによー、その驚き」

「いや……別に……」
と僕は慌ててフォローしたが、内心かなりの驚きだった。

彼女の雰囲気は落ち着いていて、そのはっきりした顔立ちは大人びている……というか大人そのもののような気がした。


だけど言われてみれば、くりっとした大きな瞳と唐突すぎる行動は子供っぽさを残している。

16歳。


その微妙な年齢を彼女の存在は見事にとらえていた。



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