樹海を泳ぐイルカ
五月蝿い目覚ましを止めたら静寂が戻った。


ベッドから起きあがる気はしない。

僕は布団のなかから自分の部屋を目だけをギョロギョロ動かして観察する。

きっちりと閉めたカーテンから漏れる朝日の輝き。

ハンガーにかかった有名進学校の制服。

そこら中に散らばった難しい参考書たち。



その全てに威嚇されてる気がした。


今度は頭も痛みだす。
誰かが僕の頭をハンマーで叩き割ろうとしているんだ。
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