樹海を泳ぐイルカ

ベタつく肌に気持ち悪さを感じ、シャワーを浴びることにした。


シャワーから吹きだす生ぬるい湯は僕の全身を撫でるように流れた。


右腕の火傷が痛む。



身体の汚れを落としながら、ぼんやりとその忌々しい消えない傷をみつめた。


そして僕は現実を思いだす。



もし、僕があのとき空中落下していたら


この傷は癒えてくれたのだろうか?




(お前は飛行機雲の代償にされたんだよ)




僕は自嘲した。




< 39 / 157 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop