樹海を泳ぐイルカ


頭を抱えて、うぁ゛ぁぁ゛ぁと獣のように叫びうなだれる。

ドロドロな感情が一気に流れてくるようだった。
きっと、いつだって流れてきそうだったのだか、いつだって制御できた。

だけど、今はできなかった。


初めて失敗した―――




こんな姿を見ればどうせ透子だって、気持ち悪がるんだろう。

今、隣にいることさえ嫌になるんだろう。


だったら早く消えてくれよ。


最初からなかったみたいに。


そうすれば僕もまたリセットして誰でもない僕になるから。




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