樹海を泳ぐイルカ
心臓が焼けるようにヒリヒリする。
中谷に胸ぐらをつかまれ、顔面をおもいっきり殴りつられけた。
すると、生暖かいものが僕の唇をつたった。
血だ。
「おぉ~!!見事に命中じゃん!!!」
「ギャハハハ!!」
パレードの観客のように大歓声があがる。
「ゲホッゲホッガハッ」
僕はまるで生きたサウンドバックのように蹴り回され、のたうちまわった。
透子はきっと、後ろでこんな僕の姿を見ているだろう。
どんな顔をして?
透子
僕をみないで。