御曹司なんてお断り★番外編★
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「いらっしゃいーーって昴か。」
「なんだよ。正樹兄ぃ。一応俺も客だろ?」
俺は、あははと笑いながら
いつもの奥の席に座る。
この喫茶店は叔父である正樹兄ぃが経営する店。
コーヒーと紅茶とケーキしかない
そんな変な店。
そんな店を志保は気に入っていて、
昼食は大体この店に来る。
昼食って言っても、
ケーキだけを食べるんだが・・・
志保に、よくお腹すかないよな。
といったら、
会社でちょくちょくとお菓子を食べながら作業をしているらしい。
「ダイエットも兼ねてちょうどいいのよ・・・」
と、ぷくっと頬を膨らませて
言うものだから
余りのかわいさに、抱き寄せてキスしてしまった。
きぃっとゆっくりと古めかしい入り口のドアが開く。
「いらっしゃいませ。志保ちゃん」
「あっ。はい。正樹さんこんにちわ。」
志保は軽く頭を下げながら、
俺が座っている席に着く。