変わらない想い
部室を出ると
「セイラ、傘持ってきたか?」
「持ってきてないよ、タクは?」
「オレも」
二人で体育館の入口で
雨が小雨になるのを待った。
小雨になる気配もなく
「セイラ、しょうがね~
雨の中帰るぞ!」
「うん」
自転車小屋まで走り
ずぶ濡れで家に向かった。
タクの家の前
「セイラ、オレの家寄っていけ
サキの服に着替えて
小雨になるまで待ってろ」
「いいよ、大丈夫だから」
「セイラ、早く!
風邪引いちまうぞ!」
「もうずぶ濡れだし」
「いいから!早く来い!」
タクは強引に
私の自転車を引っ張り
「ほら、早く」
「いいの?」
「いいから」
自転車を停め
タクと二人、ずぶ濡れで
玄関の前に。