変わらない想い
私は部屋に入り
今日買った
ウミガメの親子を手に取り
腰をおろす。
(ハァ~)
ため息が・・・
(トン トン)
「は~い」
「入るぞ」
「トモキ君!
久しぶりだよね、来てたんだ」
久しぶりに見る
トモキ君の元気な姿
「あぁ、マサヤに用事あったからな
セイラ、そのウミガメ?」
ウミガメを指差す
「これ~今日水族館に
皆で行ってね
ヒロシがウミガメ親子を
買えって言うから
欲しくもないのに
買ったんだよ・・・」
何となくカワイ~けどね
「いらね~なら
親のほうくれよ」と
トモキ君は
ウミガメの親を
横から取り
鼻で笑ってる。
「いいよ、まさか!
抱いて寝るんじゃ~?」
「バ~カっ!
シュンから聞いたぞ
誕生日の日
エッチしたんだってな・・・」
「・・・うん」
「よかったじゃね~か
カメもらっていくからな」
「うん」
「じゃ~な」
「またね」
いつも通りに
話せてよかった。
タクからキスされたことより
トモキ君と久々に会えて
喋れたことが
私の中では大きかった。
このときのあなたは
必死に笑顔を作って
平然をよそおっていたんだよね?
(よかったじゃね~か)
どんな気持ちで
あなたが言ったのか
あなたの気持ちに
気づくことすらできなかった。