変わらない想い

秋風が肌寒く感じはじめ

六人で勉強の毎日。


もうすぐ

トモキ君の誕生日

何を買おうか迷っていた。



トモキ君の部屋を
片付けながら



「トモキ君
今、欲しい物ある?」




「セイラが欲しい」




「私以外に!」




私を困らせてるの
分かってんだからっ!




「セイラが欲しいって」




拾い集めた雑誌を
トモキ君に投げつけ




「あぶねっ!!」





ハァ~ため息が


もう、何買ったらいいわけ??





次の日

今まで貯めていた
お小遣いを持って

ジュエリーショップに

シルバーアクセサリーを
真剣に見ていた。


トモキ君に似合いそうな
アクセサリーを


迷いに迷ったあげく




「これください」



プレートペンダントを
指差した。



青色のリボンをつけてもらい
紙袋を抱きしめ家に帰る。


トモキ君の喜ぶ顔が
頭に浮かぶ。


私はベッドの上で
プレゼントを抱きしめたまま


またまた妄想の世界へ。






トモキ君の誕生日

11月20日


学校が終わって
急いでトモキ君の家に

部屋に入り



「ただいま~」




「おぅ」




「トモキ君
17歳の誕生日、おめでとう」




「おぅ」



いつもの照れ笑い





鞄から紙袋を取り出し




「はい」




「オレに?」




「うん」




トモキ君は紙袋から取り出し
箱を開けて



「いいのかよ」




「うん」



トモキ君の首に
プレートペンダントをつけ




「似合ってるよ」




「あんま
ジロジロ見んなよっ

恥ずかしいだろ~がっ!!」




照れながらも
喜んでくれていた。



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