ヒ・ミ・ツ−リビング−
そんなある日、会社から帰ると誰かが自分の家の前で座り込んでいた。

フードを被っていて誰だか分からない。近づいていくと夕理だということが分かり、声を掛ける。


「・・・夕理?」


声に気付いたのか、顔を上げた夕理と目が合った


冷たい目・・怖い。


「ど・・・どうしたの?鍵は?」


「忘れてきちゃった・・・。」

言い方は相変わらず可愛い感じだけど、機嫌が悪いのがあの冷たい目と雰囲気で見てとれた。


「・・・中入ろう?」


鍵を開けて、夕理を先に入れる。


こんなに機嫌が悪い夕理を見るのは初めてだ。


ここからは二人だけの世界。


私はこの雰囲気に堪えることができるのだろうか。
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