ヒ・ミ・ツ−リビング−
「電話くれれば、走って帰ってきたのに」

結っていた髪をほどきながら、夕理に伝える。


「そういう状況じゃなかったくせに。」


「えっ?何?」


「・・・・・・。」


何も答えない彼が怖くて、逃げるように手を洗おうとキッチンに行こうとした。けれどそうしてくれない方が一人。


「先輩。」


いつの間にか目の前に立っていた夕理。


「一つ質問してもいい?」



「いいよ?」


「今日、一緒にいた男・・あれ誰?」


冷たい目は変わらないまま私に詰め寄ってくる。

反射的に後ずさりしてまい、壁にぶつかってしまった。


どういうことなんだろうか・・なんで彼はこんなに怒っているの?

男がいたって関係ないはずだよね?

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