あなたの こども うみたい
ある日、横山先生から電話があった。

「診察は、まだ先だったと思いますが…」

「いや、その、仕事のほうはどうかね?」

「はい。事務員になりましたけど、子育てにはちょうどいいかなと思っています。」

「そうか。実は、私としてはまた君に、通訳をお願いできないかと…」

「通訳、ですか?」

「はい。やっぱり君の能力を埋もれさせるのは、もったいない。

 というのは表向きで…

 やはり、安心できるのは、なんていうか君なんだ。」

「はい。うれしいお言葉ですが、あれ以来、通訳の仕事はしてなくて…」

「君のことだから、勉強はしているんだろ?」

「はい、まあ。」

「だったら、決まり。大丈夫。日本での仕事だから。

 託児所もうちの病院の施設を使ってもらってかまわないから。」

「先生、そこまで···」
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