彦一様に今日も夢中!!
「岸川か……すまんな。今日、部室の方に行けなくてどっかの誰かさんが、授業を真面目に受けないもんだから……」
長谷部はそう言いながら、チラッとあたしに目線を向けた。
どっかの誰かさんって、あたしの事ですよね……?
「いえ、長谷部先生が来なかったので僕がすましたので、大丈夫ですよ。」
「部室?」
疑問に思って思わず、そうあたしは投げ掛けた。
「知らなかったのか?俺、茶道部の顧問してるんだよ。」
えっ?長谷部が茶道部の………顧問?
茶道部………茶道とミスマッチないかにも運動部の顧問みたいな長谷部が?お茶たててんの?
「ブッ……先生、冗談は顔だけにして下さいよ?」
長谷部の顔をみると、茹でダコの様に真っ赤になり、般若の顔になった。
「プッ……ゴホン………それじゃあ、僕はこれで失礼します。」
彦一様は顔を一瞬崩し、すぐにキリッとして、職員室を出て行く