彦一様に今日も夢中!!




あたしの前の席に座り、呆れた口調で言ってきたのは




幼なじみの小西裕太。




「うるさい。あたしの勝手でしょ!?裕太に関係ないじゃん。あっち行ってよ邪魔しないで」



「岸川みたいな完璧なやつ、お前に見込みがあるわけない。現実をみろ。それになんか、アイツ胡散臭いんだよ。」




相手にされない事くらいわかってるよ。




あたしみたいななんの取り柄もないヤツ好きにならないって





でも、見るくらいいいじゃんか・・




ふんだっ!!!




あたしの唯一の楽しみなのにいつも邪魔ばっかりしてきてさっっホントむかつく!




「裕太なんて嫌いだー。うっ…」




あまりにいつもうるさく言う裕太にちょっとだけウソ泣きしてみた




「………………。」




やっぱり、ウソ泣きして騙されるわけないか………



「はっ!?ばっ………悪かったって、なにも泣くことないだろ。あっほら、もうお昼だぞ?メシ食おうな?お前、カレーだろ?早く行かなきゃ売り切れになるぞ?」




まさかの騙されちゃってるよこの人





裕太は、昔からあたしの涙に弱いのは知ってたけどウソ泣きも見破れない程弱かったとはね



「じゃあもう、言わないでね。」




必死になる裕太に少しばかり良心は痛むけど、まあいいか。


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