強気な女に裏あります。
「どうしたの?まだ泣く?いいよ?」



そう言って腕を広げた平泉君。

まるで、飛込んでこい!と言ってるようだ。


……でも! 飛込めるか!
泣けるか!
まず状況を考えろ!



「んっ?どうしたの?」



ガチガチに固まってるあたしと爽やかに笑いながら首を傾げる平泉君。



「どうしたもこうしたもない!」



だけど口だけは動くんだね、あたし。



「こんなあたしを見てなにも思わないわけ!?なんか言うことないの?」



バレて慌ててるあたしは早口言葉。
頭の中はパニクっててどうすればいいか分からなくなってきた。
いつもならすぐになにか案が出てくるはずなんだけど、今は出てこない!
なんで!?



「なにも思わないよ?ただ、か弱いんだなぁ、って思ったけど……。言いたい事もないかな」



平泉君は頬をポリポリッと指でかきながら言った。

その姿は可愛いに近い爽やか。


あたし、意味不明。



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