強気な女に裏あります。
か弱い女。
言いたい事もない。

――嘘でしょ?


自分で言うのも嫌だけど、先輩から後輩まであたしは頼れる姉御系なんだよ?
一部の先輩は除いて……。

涙なんか似合わない姉御系なんだよ?
それがワンワンと泣いてて、叫んでて……最後は声も体も震えてたんだよ?


全く別キャラになってたのを見て、なにも思わない!?
言いたい事もない!?


おかしいよ!



「えっ?えっ?本当?」



あたしがそう言うと平泉君は笑顔で『うん』と言いながら頷いた。

こっ、これならみんなにバレずにすみそう!


固まってた体が今は動けるようになり、あたしは平泉君の両手を握って頭を下げた。



「んっ?どうしたの?」



突然の事に驚いたのか、さっきより声が少し高いかもしれない。
そう聞こえるだけだけど。


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