強気な女に裏あります。
「お願いします!あたしが、か弱くて臆病者だと誰にも言わないで下さい!」



これだけは守ってほしい。
じゃなきゃ今までの努力が台無しだ……。
そしてみんなを裏切る形になる。……かも。

ならこの高校生活三年間、演技で姉御系をやってた方がいいに決まってる。


辛くてもやり通す!
やり通して見せます!



「――うん、いいよ?」


「……へっ?」



顔を上げるとそこには爽やかに笑う平泉君。
ずっと笑ってるな……。

じゃなくて、これでバレずにすむ!


あたしはホッと一安心をした。



「でも、泣くのはここじゃなく自分の家の方がいいかもね」



平泉君はあたしの頭をポンポンッと優しく叩きなから言った。


それはどういう意味ですか?
旧校舎でもう泣いちゃいけないの?



「たまにだけどね、ここを通る人が居るからさ。現に今ここに居るからね」



あ……え、そうなの?
でも平泉君は嘘つかないっぽいし、ならそれは本当だよね……。



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