強気な女に裏あります。
ひっ、平泉君でよかった。
バレたのはしょうがないもんね。
時間なんかもう戻せないし、どうする事も出来ない。

うん。
今さらグチグチと文句なんか言えない!
……あっ、言うつもりはなかったけどね?

というか、言えないから……。



「う、ん。分かった。教えてくれてありがとう」



あたしはそう言って、軽く頭を下げて、この場から立ち去ろうとした。

外は言われなくてももう真っ暗。
雨は止んでるけどまた降りそう。
とりあえず今のあたしは学校から早く抜け出したかった。

頭の中が今パニクってるからね。



「あっ、待って」



もう使われてない教室から出ようとしたら、平泉君に呼び止められた。



「ん?」



短く返事をして、また後ろに振り返った。



「我慢出来なくて泣きそうになったら、僕の所においで」



平泉君は爽やかな笑顔でそう言い、本人はなんだか満足そう。

だが、あたしは意味が分からず頭にハテナマークを浮かべてた。



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