強気な女に裏あります。
我慢出来なくて泣きそうになったら僕の所においで?


はて……それは……?



「泣いてるとこ、他の人に見られたくないんでしょ?」


「えっ、まぁ……そうだけど……」


「なら、僕の胸をかしてあげる。ここに僕のメアドと電話番号書いとくから」



そう言って平泉君は胸のポケットからボールペンを取り、近くにあった紙を取り出してなにかを書き始めた。

きっとメアドと電話番号だろうな……。



「はい」


「……ども」



なにも言えなくなったあたしはおとなしく、平泉君のメアドと電話番号が書いてある紙を受け取った。

あの……これはこれでいい展開なんですか?
それとも悪い展開?



「暗いとこ大丈夫?大丈夫じゃなければ僕が家まで送るけど」



あたしの心の中を読んでるかのように平泉君はあたしの苦手な事を言った。

暗いとこは多少平気だけど、いい……のかな?



「いや、遠慮しときます」



あっ、真逆の事言っちゃった。



「そう?なら……また明日ね。僕は明日から早坂さんのお付きさんになってあげる」



またさっきと同じように平泉君はあたしの頭を撫でて、本当はあたしが先にこの場から去る予定が、平泉君から去ってしまった。


というか“お付きさん”ってなに?



「お付きさんっ!?」



なんだこれ!
あたし、大丈夫!?



< 17 / 78 >

この作品をシェア

pagetop