強気な女に裏あります。
ガラッとドアを開け『失礼します』と礼儀正しく頭も下げた。



「んっ?」



あたしの方に目を向ける淳一。



「誰か居ますか?」


「いや、いない」



その言葉を聞いてあたしは勢いよくドアを閉めて淳一に近付いた。

もしここで誰か居たら敬語で『そうですか』と言って静かにドアを閉めて入るんだけどね。


いなかったらもう素を出し放題。



「淳一!どうしよう!」



すぐに涙目になるあたしを見て淳一は呆れた顔をする。



「成績落ちたらどうすんだよ」


「大丈夫!必死に勉強してるし、七菜にも教えもらってるから!」



テストでは一応、学年10位以内をキープ。
馬鹿でアホなあたしでも勉強だけは毎晩やってます!



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