強気な女に裏あります。
ゴホンッと小さな咳をして背持たれに寄りかがった。



「淳一さーん、雨音来てますか?」



あれ?



「あぁ、七菜ちゃん。そこに居るよ」



他の人かと思ってシャキッとしてたのに!
七菜かよ!

でも七菜でよかった……。
じゃなきゃ面倒な演技しないとじゃない?



「七菜!」


「居た居た。はい、お付きさん」



そう言って七菜は誰かの腕を引っ張った。
その腕は……。



「平泉君!?」



平泉君はニッコリとただ笑ってるだけで、あたしの顔を見てる。

あの、ちがくてね?
笑ってる場合じゃなくてですね?


あなた、授業はどうしたの!?



「一応、淳一さんにも紹介しようと思ってね」



あれ、七菜?
普通に平泉君の前で本当の姿出してるけど……?



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