強気な女に裏あります。
あたし……お付きさんとかいらない……。
いつも通り、頼れる姉御さんを演じて。
怖くても終わるまで耐えて。
そして終わったら旧校舎で泣き叫ぶ。


……これがあたしにとって一番落ち着く。

だからお付きさんとか……。
誰かの胸で泣くとか……。


それはいらない。



「……平泉君。お付きとかいいよ?」


「なんで?」



なっ、なんでって!
何回も言うけど、あたしと平泉君は昨日がまともに話したんだよ?

それなのにいきなり隣に居るっておかしくない!?
あたしの中じゃおかしいんだけど!



「めっ、迷惑だと思うし」


「僕は思ってないよ。僕自身が言った事だしね」


「でも……」



涙目になるあたし。

平泉君、折れてくれないんだもん!



「僕なら平気だから、ね?」



そう言って平泉君は椅子から立ち上がり、あたしに近付き頭を撫でてきた。

これが、平泉君が言ってるお付きさん?
なんか頭撫でられると和むんですけど……。



「僕は君のお付きさんなの」



そう言って微笑んだ平泉君。


















「おい。なんだ、この展開は」



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