強気な女に裏あります。
と、いうか……それしか手はない!
じゃなきゃあたし、実験台にされそうで怖いんだもん!

でも、しょっぱなからそれはないよね、と前向きに考えてみた。

うん、ありえないでしょ。



「へぇ、誰にしたの?作った物ってなに?」



あたしは前向きになり、目を逸らさず、話を進めた。



「誕生日プレゼントで渡そうかな?って思って作ったんだ」



だから、やる人は誰だよ。
……こんなの初対面の人に言っちゃいけないよね?
その前に言えませんけどね!



「ふーん。それじゃなんか面白いプレゼントでも作った──「知りたい?」



あたしは最後まで言えず、葛木君はすぐに突っ込んできた。

驚いたあたしは『まぁ……』と言いながら頷いた。


その瞬間、彼の口元がつり上がったのが見えた……ような……。



「放課後ね」



眼鏡のレンズを拭きながら言い、それ以上あたしは話しかけなかった。



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