強気な女に裏あります。
途中、平泉君に会った。
連れてこうとしたけど!
絶対に連れてこうとしたけどね?
葛木君が『昇降口で待ってなよ』て言っちゃってね。
あたしもその話に合わせて『すぐに行くから』って、ね……。


だけど……。



「それで?」



前までここで泣いてた教室。
今すぐ泣きたいんだけど……っ!



「これ。一瞬だけど、面白かったか明日……感想を教えてね。終わるまでここから出ちゃ駄目だかんな」



ポチッとなにかを押して、葛木君は教室から出て行ってしまった。
あれ、なんだか口調違ってたね……。


シーンッと静まるかと思った。
けどなぜかピッピッピッと変な音が聞こえる。


背中に限らず額まで変な汗が……。

ううん!
もうそろそろ夏になるからだよ!
あと少しで7月。
暑いだけでしょ!


なんて思いながら鞄を机の上に置き、渡されたダンボールを開けてみた。



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