強気な女に裏あります。
――と、あたしの足は止まった。
そして血がサァーッと引いたのが分かった。

なっ、なんでまだ居るのよ!



「また淳一先生の所に行くの?」


「もう近付くな、って言ったでしょ?」



ギャル系のお二人。
いつもあたしに絡んで来る先輩だ。

いつもは七菜が居るから上手く逃げられるんだけど……今回はいない!
あたし一人!
どうすんのよ!



「もう……また来たんですか?」



呆れた顔をしながら、腕を組んだ。

こんな偉そうな口開いてるけど指先がビクビクと震えてるからね……。
腕で隠れてるからいいけど!



「はぁ?なにその言葉!」



本当に!



「いい加減にしてよ、ね!」



右に居た先輩が側にあった小さいゴミ箱を蹴った。

──ちょっ! 当たるっつーの! バァーカ!


そんな暴言を心の中で吐いてたらガンッと鈍い音が女子トイレに響いた。



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