強気な女に裏あります。
「それでは、またねっ」



三導児さんは嬉しそうな顔で右手をブンブンと振りながらあたしの前から去ってった。



「雨音ちゃんに勝てるわけないのにねー」


「いくら好きな場所を掃除出来るからって……」


「卑怯だろ」



あたしの周りで勝手に騒ぐみんな。

とっ、とりあえず!
ほっ、保健室!
心の中では一人で焦り、保健室へ向かった。



「早坂さん?」



うん、平泉君もだよ。



 * * *



「無理だぁー!」


「うっせ」



この保健室は暇な保健室だ。
今日も病人、怪我人がいない。

あたしはそっちの方がいんだけどね。


それにしても……負けたら三導児さんにもう付きまとわれずにすむ。
これはいいとして、屋上の掃除。
やだよ、怖すぎるよ!



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