強気な女に裏あります。
「なにが?雨音は三導児さんに勝ったんだよ」



七菜は首を傾げ、順位表へ指差しながら言う。

ふっ……だからね?
それは当たり前なのよ。



「そうだよ?だってあたし――」



当たり前?
さっき七菜はなんて言った?
おめでとう、だよね?
それは遠回りの、よかったねって意味だよね?

なのに、勝ったんだよってなに?
あたしが、勝った?



「……は?」


「だから、雨音は6位。三導児さんは7位。勝ったんだよ」



また小声で『掃除しなくていいね』と付け足した七菜。

あたしは……6位で三導児さんが7位?
それって…
6位−早坂 雨音
    ↓
7位−三導児 香美


――と、並んでたって事?

あたしは平泉君と顔を合わせてはまた七菜に戻して……。



「うっそ!?」


「本当?」



言葉はちがくても、息はあい、急いで平泉君と順位表を見に行った。



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