強気な女に裏あります。

振り返ると近付いて来る平泉君と橋本君。

そういえばあたし、橋本君の事久々に会ったような気がする。



「こんなとこでなにやってんだ？」



ニッコリと笑う平泉君に対して、めんどくさそうな顔をしてる橋本君が聞いてきた。



「んー、淳一に呼び止められて……」



そうだ……。
橋本君にはまだあたしの事知らないから演技しなきゃいけないんだ！
やっぱりいきなりコロッと変えるのって難しい。



「今日、お前の家に泊まるからおばさんに伝えといて」



……えっ！？
淳一が泊まるの！？
なんの目的で？
なんかあったっけ？



「ふーん、わかった」


「ん。おい橋本、お前ちょっと来いよ」



あたしに気を遣ったのか、またはたまたまか、淳一は橋本君の肩に腕を回して体育館から出て行った。

いや、淳一の事だからたまたまかな。



「……早坂先生、泊まるんだね」


「んー……でもなんでだろう」



早坂先生って呼ばれるあたしが変な感じになる。
あたしも早坂だし。
ただそれだけなんだけど。