強気な女に裏あります。
海……?
海ってあのザザァーッと波があって、白い砂浜もあって、青い空と青い海!……みたいな事言って飛込む、あの海?



「平泉君がね、早坂さんも行くけど……って言ってたのね?」


「それで早坂さんが行くならー、みたいな雰囲気になってね?」


「それじゃあ、あまり絡んだ事ない早坂さんも連れて行ってもいいの?って思ってさ」



そしてお姉様系の女の子の三人はまた一斉に『どう?』と聞いてきた。

いや、どう?と聞かれましても、ねぇ……。


あれ?
てかあたし、別に平泉君と行く約束なんかしてなくない?
なんかさっきの会話を聞いてると『実は先に早坂さんと約束してたんだ』みたいな事になるよね?


だって早坂さんも行くけど、って言ったんでしょ!?



「まぁ、海もいいけど――」



いや、本当は海なんか大の苦手でございます。



「用事があるかも、だしね……」



用事なんかないけど。
ここは断ろう!



「えぇ!いいじゃない!」


「そうそう!」


「この夏、メンズがいなきゃなにも始まらない!」



そしてまたまた一斉に『ねっ?』と目を輝かせながら訴えてきた。

あたしはその目に勝てず……。



「……わかったわかった」



と、彼女達より大人びた雰囲気を一瞬、張ってしまった。



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