両想い【完】


***


2レース目が走り出した、美愛は…速いっ!!


六人の中でダントツにはえぇ…


女子は学校内の人数が少ないせいで、速さに毎年、結構な差が出るらしいが。


美愛は…あぁもうバトンパスしたんだ、たいして疲れてないみたいだ。


でも、笑顔がない?どうした?


俺は気になり声をかけようと近づいた…が、かけられなかった。


「先輩!あたしの走りどうでしたか?」


「あ?」


邪魔をされ、ものすごい不機嫌さで返事する。


「あっ、えっと…あたし…第一走者で…」

さっき声をかけてきた1年がまた話しかけてきた。


「まだチーム走ってんのに見ねえの?
あと、さっきも言ったけど俺は
あんたは見ない、見てない。もういいかな?」


「…ぅぅ…はい、すみません…でし、た。」


さっさと離れ、やっと美愛の傍に座り込む。


色が違うが構わない、俺には美愛のが心配で何を言われても気にならなかった。


「美愛?速いなぁ!!…おっ、チームも1着かぁ、やるじゃん?」


「祐君…見ててくれたの?…私のこと…」


不安そうな揺れてる瞳で俺を見上げる美愛。


可愛くてドキドキが強くなりながら返事する。




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