両想い【完】
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2レース目が走り出した、美愛は…速いっ!!
六人の中でダントツにはえぇ…
女子は学校内の人数が少ないせいで、速さに毎年、結構な差が出るらしいが。
美愛は…あぁもうバトンパスしたんだ、たいして疲れてないみたいだ。
でも、笑顔がない?どうした?
俺は気になり声をかけようと近づいた…が、かけられなかった。
「先輩!あたしの走りどうでしたか?」
「あ?」
邪魔をされ、ものすごい不機嫌さで返事する。
「あっ、えっと…あたし…第一走者で…」
さっき声をかけてきた1年がまた話しかけてきた。
「まだチーム走ってんのに見ねえの?
あと、さっきも言ったけど俺は
あんたは見ない、見てない。もういいかな?」
「…ぅぅ…はい、すみません…でし、た。」
さっさと離れ、やっと美愛の傍に座り込む。
色が違うが構わない、俺には美愛のが心配で何を言われても気にならなかった。
「美愛?速いなぁ!!…おっ、チームも1着かぁ、やるじゃん?」
「祐君…見ててくれたの?…私のこと…」
不安そうな揺れてる瞳で俺を見上げる美愛。
可愛くてドキドキが強くなりながら返事する。