両想い【完】
「あぁ、もちろん、美愛だけを見てた、
チームそっちのけで(笑)やべぇな…」
混合リレーが始まっていた。
美愛を覗きながら笑いかける。
「私…だけ?嬉しいな…」
ようやく笑顔で俺を見てくれた。
「何でトップでバトンパスしたのに
さっきは浮かない顔してた?
何かあったか?」
「えっと、ね?笑わない?」
「俺が美愛をバカにしたりとか、
ねぇだろ?」
「ん、そうだね。祐君は私に優しい…。
私はそれが…嬉しいんだよ」
「ハハッ、で?理由は?」
「うんとね?レースが始まる前にね、
祐君が1年の可愛い女の子と
話しているのを見てね…
何だかどうしてか…元気なくなったの…
ついさっきもお話し、していたでしょう?
私…また悲しかったの、だから、
笑っていなかったんだと思うよ…?」
ヤベェ…ヤキモチ妬いてくれたんだ…
昨日も思ってしまったが、勘違いしそうなんですけど…とにかくめちゃ嬉しい…
友達よりは確実に俺の、美愛の中での立場は上になってるよな?
少しは自惚れていいっすか…
聡に自慢だ!
「あれは全く知らない後輩、
なんか勝手に話しかけてきただけだから、
気にすんな、な?」