両想い【完】
それを聞いていた聡が急に話し出した。
「あの子かぁ~!!名前は聞いてたんだよなぁ
可愛い子がいるって。
ってか、真琴ちゃん振られたの?
相手見る目ないなぁ~」
「ふっ…軽い慰めありがと。
やっぱり聡君は知ってた?
じゃあ美愛の噂も聞いてるの?」
「噂?」
俺は、結構顔が広いほうだったし、モテてたしいろいろ知ってるつもりでいたが、聡は知ってて俺の知らない噂話ってなんだ??
「ああ、あっ、顔までは知らなくてさ?
わざわざ探そうとまでは思わなかったし、さ。
ただ、1年の時にけっこうな数、
告られてんのに
『自分が好きになった人でないと
お付き合いは出来ません』
って断り続けてる子がいるって
ちらっと聞いた事があったわけ、
で、その名前が美愛ちゃん」
その話は知っていた。
名前は、俺は聞いてなかったし、俺も顔をわざわざ見に行くほどはその噂に興味がなかった。
思えば、その時にもっと気にしてたら…なんて、思ったりした。
「その噂はまぁ正解かな…美愛はね…
相手が素敵な気持ちを自分に向けて
くれてるのに自分がそれに甘えて
OKするのはいいことのようで
相手に失礼だって。」