両想い【完】
「へぇ~なんか美愛ちゃんて、
素直だからか、言うことも
素直に出てくるんだな?」
「そうかもなぁ、恥ずかしがったりは
してんだよ、ふつ~に。でも、
なるべく気持ちを伝えようと
してくれてるって感じか、な。」
「恋愛でも友情でも、なんでも
人との繋がりには一生懸命なんだなぁ、
すげ~尊敬だなぁ、
結構さ、こういっときゃぁ誤魔化せる、
上手くやり過ごせるみたいなのって
当たり前みたいにしてんじゃん?
上部笑ってみたりとか、
でも美愛ちゃんは違うんだな」
「俺さ、ほんと、はまりまくりだ…
頭ん中美愛ばっかり(笑)
自分で笑えるくらい、でも、
それでいいやって、思ってる…」
「うわぁ~恋愛にはまってる祐、初めて…
でも、まっいいんじゃね?
俺は今の祐、結構カッコ悪さも含め、
嫌いじゃないよ(笑)」
言ってることは酷いけど、聡なりのエールが嬉しかった。
***
「なぁ、女子更衣室からほとんど出たよな?
遅くねぇか?美愛ってそ~いうの、
気ぃ遣いじゃんか…」
「確かに…」
二人で体育館横の更衣室入口を見つめる。
ガチャリ…中からさっきの1年が友だちらしきやつと出てきた。
俺らがドアに注目していて目が合うと驚いた顔をし、慌てて走って帰って行った。