両想い【完】


体育館を出て直ぐ横の花壇の側に立ち止まる。


「あんま、体育館から離れたくないし、
時間ないからここで済ませて、
で、話って?」


俺は怒りと苛立ちを押さえながら聞いた。


「あ、あのっ!!あたし、
高城先輩のことが好き…なんですっ!
今、彼女はい、いないって聞きましたっ、
あたしを彼女にしてくださいっ!!」


いろいろと言いたいことや突っ込みどころもあったが、あえて返事だけにした。


「嫌だ。俺はあんたのことは知らないし
何とも思わないから彼女なんて無理。
じゃ、こっちから話な、
先週のリレー練習の後に更衣室でしたことな、
お前、もしかしたら犯罪者に
なってたかもってくらいのことした
自覚あるか?」


断りの返事とさらには犯罪者とか言われて、さすがの強気な1年女子も、青ざめている。


「は、犯罪者って…なんです、か…
あ、あたしはなに、も…」


「今さらどんな事実だったかとか、いいから。
お前は相手が脳震盪起こして
気絶しかけたくらいのことしたんだぞ!?
それでも、自分でよろけたんだって
言い張って、絶対に何があったか
美愛は学校側に言わなかった…
ちょっとでも打ち所悪かったら
取り返しつかねぇことに
なってたかもしんねぇんだぞ!」

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