両想い【完】
俺の怒鳴り声でビクンッとなり、怯えながら話し出す。
「あ、あっ…そん、な…ご、ごめ…さ、」
「泣くとか止めてくれ…
とにかく、自分の勝手で人を
体も心も傷付けといて、
平気な顔して俺に告るとか…
マジであり得ないから。
いい?マジ断ったし、
美愛には金輪際近づくな…
美愛の傍にいるのは俺が居たいからだから。」
そこまで言って俺はとっとと体育館に戻りやっとチアを見学した。
***
5時を少し過ぎて仕方なく聡と帰ろうとしたときに、美愛が上がってきた。
「どうした?」
「うん、さっきね、
祐君があの子と出たから…
お話しをしたのかな?と思って、
ありがとを言いに来たの」
「そっか、タイミング外れなくてよかった。
俺ら今日はこれで帰るな?
話しはちゃんと、
俺の付き合えないって気持ちも、
俺の意思で美愛の傍にいるってのも
言ったから、安心しろ…」
「うん!ありがと。
じゃあ、練習戻るね、また、明日~」
***
駅に向かいながら『よかったな』と 言われ、ようやくひと安心だ。
「それにしてもさあ、
この2ヶ月でお前と美愛ちゃん、
もう付き合ってんの?ってくらいの
信頼感あるよなぁ…」