両想い【完】


教室にはもう、俺達3人しか残っていなかった。


一息ついてまた話し出した。


「だから、まず知らないからその人を
知ろうと一生懸命見たり、話したりするの。
で、自分の中に好きって気持ちが
ないってわかったら、
その気持ちに素直にお友達でいいですか?って伝えるの。」


「えっ?わざわざ?
そんなの相手の男には今更なんじゃないの?」


「まあね、他の女子がしたら、
なに自惚れてバカ言ってんの?って
なるかもだけどさ、
美愛を好きになった時点で相手は
美愛の素直さや優しさに惹かれてるわけよ。
だから、一生懸命自分を見てくれて
考えてくれた美愛を
そんな風に思ったりしないのよ。
でもまぁ…諦めつかないって人も多いけど」


「へぇ~…すんげぇな、
誠実?とかいうやつか、
でもまぁ、たしかに、
もしかしたらって思っちまうかもだなぁ」


山野の話を聞いて聡が感心したように呟いた。


俺はなんだか、頭をガツンと殴られたみたいなショックで何も言えなかった。


「でもさ、彼氏欲しい~とか、
普通は思ったりすんじゃねぇの?」


聡はさらに山野に聞いている。



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