両想い【完】
「じゃぁ、休憩にしよう!
私の試作品、食べてくれる?」
そう言いながら冷蔵庫からゼリーらしきものを出してきてみんなに渡す。
透明感のある黄色とグリーンの2層になっている。
「やりぃ、いただきまぁす♪」
みんなでパクつく、と…
「「「「美味(美味しい)い!!」」」」
4人の声が揃う。
結構大きめのカップだったが、あっという間に食べ終わってしまった。
「美愛ぁ~これなに味?」
「えっとね、レモンの炭酸ジュースとメロン、夏らしくね」
***
また、しばらく集中し6時半を過ぎたころ、美愛の携帯が鳴った。
「うん、分かりました。
お兄ちゃんもちゃんと食べてね?
…え、?うん…えっと、祐君!
兄がかわってって…ごめんね?」
光輝さんと話していたらしい美愛が、俺に携帯を渡す。
「はい?祐ですけど……
あぁ、はい、…分かりました、はい。
じゃあまた。」
切った携帯を美愛に返していると聡が聞いてくる。
「光輝さん、なんだって?」
「ん?あ~、夕飯、美愛一人になるから、
大丈夫なやつは一緒に頼むって。」
「えっ?お兄ちゃん、
祐君にそれをお願いしたの?
大迷惑かけてるよぉ~」