両想い【完】
「あぁ、なら山野と半分にすれば?」
「それは遠慮しますっ!」
山野が速答…。
「ふふふっ、真琴ちゃんに
スイーツ半分は酷だよねぇ~」
「…じゃあ、祐と食べなよ、なっ?
祐、美愛ちゃんを助けてやれ!」
「えっ!いいよぉ~悪すぎるよ…」
「美愛はどれが食べたかったの?」
俺は声が普通になるように頑張って話した。
「ふぇっ?あ、この、フルーツタルト…なんだけど…」
「おっ、美味そう、じゃあ、頼もうぜ?半分な?」
暁人も聡も、山野も…顔が意地悪くにやけていたが、恥ずかしさに堪えて、無視しながら美愛に話す。
「ほんとにいいの?
じゃあ…うん、食べたいっ!」
山野も決まり追加注文した。
***
「先に、食べたいだけ食べな、
俺はもし残ったら食うから」
「ん~、半分この約束だよ?
分けるからね♪」
タルトは丸くてフルーツが上にも皿にもタップリだった。
「祐君はこの中で好きなフルーツどぉれ?」
「あ~、イチゴだろ、キウイも結構好き、
あと桃なっ!」
「う~全部バラバラだぁ…
あっ、じゃあ…とりあえず半分でぇ…
キウイと桃が半分のこっちが祐君、
で、はいっ!」
フォークで刺したイチゴをずいっと俺の口元に差し出す…。