両想い【完】
今の俺…心臓が速く動きすぎておかしくなってる…きっと…顔も赤い…すげぇ熱いんだ…顔も体も…
どうすりゃいい?俺はすがるような視線を聡に向けた…。
聡は苦笑しながら顎を少しだけ前に出した、『ぱくっと行っとけ』ってことなんだろう。
美愛はさらに『いいよ』と言いながら近づける。
しょうがねぇ、よしっ!!
「ありがと…」
『パクッ…』
……「ん、甘くて美味い」
ふぅ~………!!美愛は、そのフォークのまま…食べ出してしまった。
3人も、一瞬止まった気がしたが、見なかったとでも言うように、会話を続けていた…
半分食べ終わり、俺に皿を渡してくれて、ようやく、フォークが1本だと気がついたようだった。
そして、俺、フォーク、タルト、フォーク…そして俺に視線が動き、だんだんと顔に恥ずかしさが表れてきた…。
「ご、ごめん、な、さい、フォーク…」
「いいよ、大丈夫、な?
すみませ~ん、フォークもう1本」
店員に声をかけて、もう一度美愛を見る。
恥ずかしさで真っ赤だが口元は笑顔だ、嫌でなかったのだとわかってホッとした。
***
「あ~美味しかったぁ」
山野が大満足な声で言うとみんなで笑う、この感じがすごく楽しかった。
俺は家まで美愛を送り、3人は先に帰っていった。