両想い【完】


確実に俺は友達ではなくなってる、はず。


美愛…抱き締めたいよ…


「うん、なんかね、私…
私の今の気持ちとか…
祐君にたくさん伝えたいことがあるの、
聞いてもらえる?
時間…まだ大丈夫かな?」


「俺は大丈夫、…どこで話す?」


「また、私のお家に上がって貰ってもいい?
外、蒸し暑いから祐君、
これからまた帰るのにたいへんだから、
少しでも涼しいとこで、ね。」


「ん、サンキュウ」


***


リビングではなく、初めて美愛の部屋に通された。


白を基調にピンクの小物や雑貨が綺麗に片付けられていた。


俺は1.5人掛けくらいの白いソファに座り、美愛は向かいのベッドに腰かけた。


「明日からテストだから、
時間かけないように話すね…
まずね、前に春に呼び出されたときとか、
猪瀬君のときとか、
どうして私が今みたいなお返事
するようになったか…中学の話しさせて」


***


美愛、中2のバレンタインデー。


美愛はバスケットボール部の顧問とお友達にだけ用意していた、チョコはお店で購入したもの。


お友達には渡し終わり、職員室へ向かう。


手には顧問へのチョコを隠し気味に持って。


すると、隣の教室前の廊下でバスケ部の男子と、一人の女子が話をしていた。



< 137 / 364 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop