両想い【完】
確実に俺は友達ではなくなってる、はず。
美愛…抱き締めたいよ…
「うん、なんかね、私…
私の今の気持ちとか…
祐君にたくさん伝えたいことがあるの、
聞いてもらえる?
時間…まだ大丈夫かな?」
「俺は大丈夫、…どこで話す?」
「また、私のお家に上がって貰ってもいい?
外、蒸し暑いから祐君、
これからまた帰るのにたいへんだから、
少しでも涼しいとこで、ね。」
「ん、サンキュウ」
***
リビングではなく、初めて美愛の部屋に通された。
白を基調にピンクの小物や雑貨が綺麗に片付けられていた。
俺は1.5人掛けくらいの白いソファに座り、美愛は向かいのベッドに腰かけた。
「明日からテストだから、
時間かけないように話すね…
まずね、前に春に呼び出されたときとか、
猪瀬君のときとか、
どうして私が今みたいなお返事
するようになったか…中学の話しさせて」
***
美愛、中2のバレンタインデー。
美愛はバスケットボール部の顧問とお友達にだけ用意していた、チョコはお店で購入したもの。
お友達には渡し終わり、職員室へ向かう。
手には顧問へのチョコを隠し気味に持って。
すると、隣の教室前の廊下でバスケ部の男子と、一人の女子が話をしていた。