両想い【完】


「お勉強や、お弁当を一緒にしたり、
送って貰ったり…
隣で同じ時間を過ごしていると、
とても安心できて幸せで、
私をちゃんと見てくれていいことも、
悪いことも言ってくれて
とても信頼してる…
でね、祐君の仕草とかに、ね、
ドキドキしちゃったり…」


真っ赤だ…美愛…


「それで、えっと、いつもね、
傍にいたいなぁとか、
もっとおしゃべりしたいなぁとか…
私…今まで好きになったことなくて、
もちろんお付き合いしたこともね?
なのに、ゆ、祐く、んとだったらとか…
もしもを、たくさん考えちゃう、の」


そこまで続けて言うと、また、『はぁ~』と深呼吸。


「ゆ「美愛、俺は美愛が大好きだ。本気で。
だから、美愛…俺と付き合って…」


美愛が何か言いかけたが、頭で考えるよりも先に、心が美愛の想いに対して反応し、自然に人生初告白の言葉が出てしまった。


美愛は目を開き、驚いた顔で俺を見つめてる。


俺は、愛しいと思いながら見つめ返す…


***


どのくらい、見つめ合っていたかな、ようやく、まばたきをした美愛がゆっくりと話す。


「ゆ、う、くん…私も…
す、き、大好き、です…
お付き、合い、えっと、お願い、します」


美愛の瞳からポロポロと、涙が頬を落ちるなか、待ち望んだ瞬間(とき)が来た。

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