両想い【完】


そっと顔だけを離してみると、まだ目を閉じてほんの微かに震えているように感じた。


ゆっくり目を開けた美愛は瞬きを繰り返しながら、照れ笑いする。


「あぁ…ヤバイ…嬉しすぎる…」


「私も…嬉しい…」


「目、閉じて…」

ちょっと開いた目を優しい微笑みと共に静かに閉じてくれる。


俺は顎を少しだけ支えてキスする…


さっきよりも少し長く…


触れると心が満たされる美愛の唇…


一瞬離して直ぐに角度をかえてキス…


またさらに長く…


少し唇を食んでみる…ピクッ


下唇だけを食む…


舌で唇をくるっと舐めてみる…ピクッ


少しだけ美愛が唇を開けた…


開いたところを少しだけ舐める…


「ぁ…っ」


とても小さかったが美愛の啼き声…


唇をまた食んでから、チュッ…と離れた。


ゆっくり目を開けた美愛は頬が染まり、少し息を荒くして俺の肩に寄りかかる。


「美愛…可愛い…今日はこれで我慢する…」


「…ん…」


息の整ってきた美愛が、見上げながら言ってくる。


「初めてが…祐君で、幸せ…ふふっ」


「!おまっ…!!我慢してんだから…
そんなん言うなっ…ったく…
可愛いこと言ってっと、
大変なことになんぞ?」


照れ隠しで強気に言いながらも抱き寄せて頬や肩を撫でる。


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