両想い【完】


***


一斉に降りたうちの生徒、改札の手前まで人波で離れたくなくて、肩を抱いて抜けた。


見られていたが、俺は気にならないし、美愛ももう何にも言わない…自分が彼女って自覚して、それに一緒にいたいって思ってる、はず。


改札で一旦離れたが、美愛が通過してきたので左手を美愛に伸ばす。


美愛はパッと俺を見上げた後ニッコリ笑い『はいっ』と、自分の右手を出した。


俺はそれを絡めて繋ぎ、歩き出す。


「うふふ…」


笑い出した美愛を見ると幸せそうに二人の繋がった手を見ていた。


「どした?」


何となく笑顔の理由はわかっていたが、美愛に言って欲しくてわざと聞いた。


「ん~?これ!
幸せの1つのかたち、嬉しくて。
こうゆうので実感出来るんだなぁって。」


繋いだ手を少し持ち上げながらさらに笑顔で言ってくれた。


「そっか、幸せのかたちな…」


***


美愛はもともと心を許してる家族とはスキンシップが多めだ。


だから、心を許しあい彼氏になった俺と、ふれ合うのはごく自然のことかもしれない。


そして、それは俺にとってラッキーなことだ。


昨日のキスも初めてと言ってたが、戸惑いながらも拒否る感じはなかった。


学校まで後すこしの道のり、繋いだ手に少し力を込め直し、二人で歩いた。


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