両想い【完】
カレカノ
「祐くぅん~?」
その時、S2のドアから顔を覗かせたのは、由紀だった。
俺を見つけた途端に教室に入りながら、文句をいい始めた。
「祐君っ!ここにいたのぉ~?!?
終わったら由紀のこと迎えに
来てくれるって約束したのにぃ!
何で来てくれないの?
クラスの女子に話してたのに、
来てくれないから由紀、
振られたのぉとかバカにされて
恥ずかしかったよぉ?」
?確かに、由紀のことを忘れて行かなかったのは俺が悪い。
だが、なんか、責められてる理由が…ズレてねぇか?
「そっち迎えにいかなかったのは
マジ悪かった。ごめんな?
ちょい、聡達に用があってさ。」
そこまで俺が話すと、山野はチラッと由紀を見ながらカバンを持って歩き出した。
「じゃぁ、あたしはこれで。
まっ、何かあったらいつでも聞いてよ。
聡君も祐君もバイバァイ~」
そんな山野をじろりと睨みながら、由紀は俺の腕に絡み付いてきた。
それをチラリとみた聡も「じゃな」とさっさと出ていった。
いつのまにかS2には俺達だけで、聡達に本当はもっと美愛のことを教えて貰いたかったな、そういや、聡の質問には答えずに済んだな、なんて思いながら教室をでた。