両想い【完】
「こ、濃いのはしないって…祐君ずるいぃ
…でも…私も頑張れるよ…」
S2の入口前で立ち止まり向かい合う。
***
とにかく俺は美愛に溺れてる、そう自覚がある…
本気の『好き』を体感して、今までの軽くてどっちかというと、友達付き合いを優先してた俺は消え失せた。
いつまでも、触れていたいし傍にいたいし、ほんの少しでも離れたくないし、誰にも見せたくない…
とにかく、好きで好きで、止まらない想いが溢れる…
***
手をパチンと合わせ美愛は教室に入っていき、俺は廊下に向いた、ら聡がニヤリと笑いながら目の前に居た…。
「後でじっくり、な?
まぁ、今はとりあえず物理、頑張れよ」
そう言うと俺の肩をバチンと叩きながら横を通り抜けた。
俺は浮かんでくるキスの時の美愛をなんとか振り払い、最初の数学に臨んだ…。
***
12時半、テスト1日目終了。
あぁ~頭が疲れた…
早く美愛補充してぇ…
鞄を持ちS2に迎えに行こうとしたら、朝のクラスメイト、高山が俺を呼び止めた。
「んだよ…」
早く隣に行きたい俺は少しイラつき気味。
「あっ、イヤ悪りぃ、
でもどうしても話し聞きたくてさっ!」