両想い【完】


「何の?」


「祐、お前の彼女はあの井上さんで
あってるよな?朝さぁ、
ラウンジでいちゃついてたの、
影で見えなくてさ、相手が。
んで、そっちだけ見てたやつらが
信じなくてさぁ~俺の特ダネ」


「特ダネって…変な言い方すんな。
とにかく、あれこれ勝手に話しつくんなよ?
美愛が傷ついてからじゃ遅いんだ。
俺の彼女は井上美愛、わかった?」


「お、おぅ…わかった…
祐…お前、キャラ変わった?
んな、恋愛系に力入れてるやつじゃ
なかったよな…?」


「うるせぇよ、ほっとけ。
俺は俺なんだよ。もう行くな…じゃな」


俺と高山の話を、きっと朝から気にしてたりしたやつらが遠巻きに聞いていて、俺が歩き出すとコソコソと話し始めた。


『ついに井上に彼氏かぁ』


『うそぉ、あんな媚びてる女に高城君騙されてるんじゃない?』


『高城、いつもの軽い遊びなんじゃねぇの?』


だいたいが、そんなのだ。


俺も美愛もなんて言われようだよ…ったく…


頭を軽く振り払い、気を取り直し隣に向かう。


***


2組に入ると一斉に注目された。


こっちも、か…


まぁ、最初のうちはこうなるだろうなぁとは思ったよ?俺だって。


でもさぁ…



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