両想い【完】
美愛の席を見ると山野と何やら話をしていて、笑顔も見える、よかった…
「美愛!」
わざと、少し大きめの声で呼び掛けた。
パッと俺のほうを見る二人。
美愛はニコ~っと、山野はニヤ~っと…
「祐~」
横からガシッと肩を組んできたのは、もちろん聡だ。
四人揃うのは昨日ぶりなのに、なんだか久しぶりってか変な感じ。
きっと、俺と美愛の間に濃い時間があったから感覚がおかしいんだ。
「祐~テストどうよぉ~
俺今回数学やばいかも…」
あえて美愛とのことを聞かずにいてくれる、やはり空気の読める賢いやつだ。
「反省よりお腹すいたぁ、
暁人君も来るから5人でマック!!ねっ!」
山野も、山野らしくしてくれて、その流れで周りに声をかけられることなく、下駄箱まで来た。
そっと美愛を見ると視線を感じたのか俺を見てくれる。
互いにニコリとして校門へ向かう。
***
だいぶ、周りに人が居なくなってきたところで聡が切り出した。
「で?昨日の今日で、何がありましたか、
祐君?なんかさぁ、
真琴ちゃんはすでに知ってる顔でさぁ
俺だ知らねえとか?なんかずりぃ~」
「あたしは、ちゃぁ~んと夜のうちに
教えて貰ったもんねぇ、
なんといっても恋愛師匠ですから!」