両想い【完】


美愛の席を見ると山野と何やら話をしていて、笑顔も見える、よかった…


「美愛!」


わざと、少し大きめの声で呼び掛けた。


パッと俺のほうを見る二人。


美愛はニコ~っと、山野はニヤ~っと…


「祐~」


横からガシッと肩を組んできたのは、もちろん聡だ。


四人揃うのは昨日ぶりなのに、なんだか久しぶりってか変な感じ。


きっと、俺と美愛の間に濃い時間があったから感覚がおかしいんだ。


「祐~テストどうよぉ~
俺今回数学やばいかも…」


あえて美愛とのことを聞かずにいてくれる、やはり空気の読める賢いやつだ。


「反省よりお腹すいたぁ、
暁人君も来るから5人でマック!!ねっ!」


山野も、山野らしくしてくれて、その流れで周りに声をかけられることなく、下駄箱まで来た。


そっと美愛を見ると視線を感じたのか俺を見てくれる。


互いにニコリとして校門へ向かう。


***


だいぶ、周りに人が居なくなってきたところで聡が切り出した。


「で?昨日の今日で、何がありましたか、
祐君?なんかさぁ、
真琴ちゃんはすでに知ってる顔でさぁ
俺だ知らねえとか?なんかずりぃ~」


「あたしは、ちゃぁ~んと夜のうちに
教えて貰ったもんねぇ、
なんといっても恋愛師匠ですから!」

< 154 / 364 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop